「パラサイトシングル」という言葉を知っていますか?
社会人で結婚をせず、実家で親に寄生(パラサイト)しながら生活する人を指す言葉です。
最近は、男性も女性も、パラサイトシングルへの風当たりが強くなっている傾向があります。
実家に住んで、自分のお給料はすべて自分のおこづかいにできるリッチな生活。確かにいいですよね。
でも、パラサイトシングルを続けていた場合、
「親が定年退職して介護が必要な年齢になっても、子どもは自立できていない」
というキビしい現実に行き当たるリスクがあります。
今回は、「気づけば自分もパラサイトシングルになって抜け出せなくなっていた!」という事態にならないために、パラサイトシングルのセルフチェックと対策について紹介します。




あなたはパラサイトシングル?10項目でセルフチェック
社会人で結婚しておらず、実家に暮らしているという人は世の中にたくさんいますし、もちろん、そうした人のすべてがパラサイトシングルだという訳ではありません。でも、本人に自覚がないだけで、実はパラサイトシングルに当てはまるという人もいます。
ここでは、自分自身がパラサイトシングルに当てはまるかどうかのチェックをしてみましょう。
あなたはパラサイトシングル?10のチェック項目
2.家事はすべて親まかせである
3.実家に生活費を入れていない
4.結婚して今の生活水準が下がるくらいなら独身でいたい
5.結婚に伴う苦労をしたくない
6.実家を一度も出たことがない
7.困ったときに頼るのはいつも親だ
8.何でも親の言う通りにしている
9.お金で苦労した経験がない
10.自分の親はいつまでも元気でいると思っている
あなたに当てはまる項目はいくつありましたか?
結果に基づいて、次の内容を読んでくださいね。チェック項目に当てはまる数から、あなたのパラサイトシングル度を推測します。
・0~2個の場合
今のところパラサイトシングルには当てはまりません。
実家暮らしでも、生活費を親に渡す、計画的に貯金する、ライフプランを立てるなど、親に頼り切らない生活を心がけましょう。
・3~5個の場合
パラサイトシングル予備軍と考えられます。
これから本格的にパラサイトシングルになる危険性を孕んでいるため、対策を行いましょう。
・6個以上の場合
既にパラサイトシングルである可能性が高いと考えられます。
すぐに対策を立てて行動に移しましょう。




この段落では、これからパラサイトシングルに転落、またはパラサイトシングルの状況から抜け出すための対策法をお伝えします。
実家に生活費を入れ、家事を分担する
実家に生活費を入れず、家事を一切しなくても、両親に叱られないというご家庭も多いかもしれませんね。
でも、社会人として収入があるにも関わらず、実家に生活費を入れないのは、親への経済的な依存です。
まずは、毎月決まった額を親に生活費として支払うことから始めてみましょう。
家事も同じです。食事作りや洗濯や掃除、すべて親任せにするのではなく、できることから役割を持ちましょう。自らが「自立心」を持つことが肝心です。
自分が結婚したくない理由と向き合う
結婚したくないと思っている人は、自分はなぜ結婚したくないのか、本音と向き合ってみましょう。
結婚したくない人の意見を聞いてみると、
「自分のお金を好きなように使いたいから」
「一人の時間が減るのは嫌だから」
「義父母や親戚との付き合いが大変そうだから」
などの声が聞かれます。つまり、「金銭面や時間に余裕のある今の気楽な生活を変えたくないから結婚したくない」という人が多いんです。
でも、このままずっとシングルでいたら、結婚した人しか得られない大切なものを一生手に入れられなくなってしまうかもしれません。そこで、ちょっと思考を転換して、結婚した人にしか得られない大切なものやメリットについて考えてみましょう。
結婚した人しか得られないメリットについて知る
では、結婚した人しか得られない大切なものとは何でしょうか?
結婚の一番のメリットは、自分に新しい家族ができることでしょう。
年齢順に考えた場合、親はいつか先に旅立ちます。その時に一人で悲しみを乗り越えるよりも、パートナーや自分の子どもがいた方が、精神的な支えになることは確かです。
他にも、人生の様々な苦難を乗り越える時、パートナーがいることで得られる精神的な安定はとても大きいといえます。
今の自由気ままな暮らしは、こうしたメリットよりも本当に大切なものなのか、もう一度よく考えてみましょう。
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婚活をする
「結婚するのもいいな」
「結婚したいな」
と思っている人のうち、相手がいない人は、婚活を始めてみましょう。
そのうち結婚できると油断して何も行動しなければ、時間はあっという間に過ぎて中年になり、婚期を逃してしまう場合があります。
結婚する意志があるのなら、早めに行動して損をすることはありません。
婚活パーティーに参加する、結婚相談所で相談する、婚活サイトで婚活する…、今はあらゆる婚活方法があります。
たくさんの人と知り合いたい人には婚活パーティーや婚活サイトが向いていますし、異性や初対面の人と話すのが苦手な人は、結婚相談所を介した方がうまくいくかもしれません。自分に合う方法で、最初の一歩を踏み出しましょう。
親の介護が必要になった時を想定する
人生100年時代と言われる現代ですが、親がずっと元気でいてくれる訳ではありません。
たとえ長生きができても、健康でいられる「健康寿命」は人それぞれであり、親にもいずれ介護が必要になる時が来ます。
その時が来れば、子どもは今までと同じ気ままな生活を送ることができなくなります。
「親の介護には親のお金を使うから大丈夫」と考えている人も、そのお金を自分がいま、食い潰しているとしたら、やはり問題です。
精神的にも経済的にも無理のない介護ができるように、今からその時に備えておくのは大切なことです。
生涯に必要なお金を考えて貯蓄をする
親の老後資金を子どもが無駄遣いしないと同時に、自分自身の貯金もまた大切です。
平均寿命が延びているということは、自分が生活するための老後資金もそれだけ長期間必要になるということです。
今は全くお金に困っていないとしても、定年後のことや働けなくなった時のことも考えて、今から貯蓄をしましょう。
自分の生き方は自分で決める
パラサイトシングルと言われる人の中には、親に主張をせず、何でも親の言う通りにして生きてきたという人もいます。
しかし、自分の人生は自分のものであり、親のものではありません。
後になってから後悔しないためにも、自分はどう生きたいのか、自分の気持ちと向き合い、納得のいく人生の選択をしましょう。


パラサイトシングルから抜け出せないとどうなるか
パラサイトシングルから抜け出せず、中年以降も親に頼り切った生活を続けることで起こり得る問題点にはどんなものがあるのでしょうか?その例を見てみましょう。
介護離職で親の年金に頼る生活をするケース
近年、親の介護のために仕事を退職する「介護離職者」が増えています。
2015年には、1年で約9万人もの人が介護離職をしているのです。
実家に暮らして親の介護をするのは決して悪いことではないし、立派な親孝行です。
しかし、介護が必要な生活はある日突然やってくるものです。それまで生活費は親に依存し、自分の給料はすべて自由に使っていた場合は、貯金が底をつき、生活に必要なお金は親の年金に頼ることになってしまいます。これでは生活が苦しくなってしまいます。
また、介護離職した後の再就職は厳しいという現実も待ち受けています。
三菱UFKリサーチ&コンサルティングが介護離職者千人を対象にした調査では、介護離職者のうち、正社員として再就職できたのは半数の人にとどまったという結果が出ています。
こうした事態にならないためにも、まずは親に依存した生活を改めることです。
そのうえで、親が元気なうちに老後について話し合ったり、介護に使えるお金を把握したりしておくことをおすすめします。さらに会社の介護支援制度を調べておくなどもしておくとよいですね。
中年になり結婚したいと考えても遅いケース
「独身貴族の生活も充分楽しんだし、やっぱりそろそろ結婚したい」
そんな風に思った時には結婚がかなり難しい状況になっている、というケースもあります。
2017年に国立社会保障・人口問題研究所が発表したデータによると、50歳時点で一度も結婚したことがない生涯未婚率の人の割合は、男性が23.6%、女性が14.1%となっています。
この数値はこれからも上がると予測されています。
現代は昔のように、両親や近所のおせっかいな人が結婚を進めてくれたりはしなくなりました。
それは、自分が「まだ結婚はいいや」と思っているうちに、気づけば中年になり、生涯未婚者の仲間入りをしてしまう可能性が高まるということでもあります。
先ほどもお伝えしたように、結婚したい気持ちがあるのなら、まずは早めに自分から行動しましょう。行動すればするほど、出会いのチャンスは高まるのですから。
まとめ
パラサイトシングルの自覚症状チェックと対策について見てきました。
パラサイトシングルの原因は他でもない自分自身です。
独身貴族の気分をいつまでも楽しむのではなく、まずは現実と向き合って自立した自分を目指しましょう。あなたの意思が周囲にも伝わり、良好な親子関係を築けたり、生活に良い変化が現れたりするはずです。